武蔵野美術大学
油絵学科 油絵専攻 小林耕平教授
と次世代のアーティスト育成のための特別授業
武蔵野学芸専門学校高等課程と武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻(教授:小林耕平)が今年度より高等課程にて特別授業を実施しました。この特別授業では中高教育においてアート(芸術)の重要性を社会的認知の向上を目指すとともに絵を描くだけではないアート表現について学習してもらうことを目標として実施しています。
6月14日の授業初日では小林教授から「作品の完成をイメージせず、プロセスを記録することで作品をつくる」というテーマで創作活動をする課題について解説を受けました。小林教授の作品を鑑賞することでアート表現の幅の広さを実感し、その上で今回の課題のポイントとなっている「作品の完成イメージを持たずに作品を作ることができるのか」ということを生徒に考えてもらいました。そして「作品を作るとは何なのか」を自身にも問いかけながら2週間かけて作品を制作しました。生徒たちは絵画、イラストレーション、映像、パフォーマンス、ワークショップ形式作品など、様々な作品を作り出し、7月4日、5日の講評会では教員による講評だけではなく、生徒同士の発表とディスッカッションすることによって、自分の作品を発表、鑑賞することで創造したものを分析し、言語化、行動できる力も養っています。
このように何もない0から1を生み出せるようになることがクリエイティブな発想を持つために重要なプロセスであり、またそのような人材を育成し、また社会問題を自ら解決できる生徒を育てています。
【武蔵野学芸専門学校高等課程について】
本校ではアート教育がこれからの社会を背負っていく生徒、学生にとって必要不可欠なものであると考えています。これは近年、欧米諸国の教育に取り入れられているSTEAM教育でも実証されています。STEAM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念として知られています。これは、知る(探求)とつくる(創造)のサイクルを生み出す分野の横断的な学びです。この中でArt(芸術)は様々な課題を見つけ、クリエティブな発想で問題解決を創造、実現するための大切なキーとなる領域です。
これからの社会で必要となるこのデザイン思考を持った人材を育成するために「観察する」「考える」「構成する」「表現する」の4つプロセスを大切にしながら特徴ある授業を展開しています。毎年、東京藝術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学などへの進学者も多数輩出しています。